求める会とは

About us

 「八代市厚生会館のホール再開を求める会」は、2021年12月に発足しました。同年5月の『広報やつしろ』の〈暮らしの情報〉欄に突然掲載された、「八代市厚生会館は、総合的に検討した結果、ホール(劇場)としては再開しないこととしました」という小さなお知らせに驚き、何故そのような判断に至ったのかについて調査を始め、「八代市厚生会館のホール再開を求める署名活動」をスタート、2022年5月に第1回目の署名10,374筆を八代市に提出しました。

 当会は有志の市民の集まりであり、草の根運動であり、大きな組織や行政のバックアップもない団体です。純粋に八代市厚生会館を愛しその価値は郷土の宝であると考え、存続させることを目的としています。
 発足後も現在に至るまで、八代市への働きかけ(陳情書、提言書、抗議文の提出など)及び、市民に向けた活動として、八代市厚生会館についての勉強会、セミナーやシンポジウムなど数々のイベントを実施し、「厚生会館問題」について多くの方に知ってもらうような活動を続けております。
 それにも関わらず、現在八代市は、八代市厚生会館を「閉鎖」し(2023年4月)、「廃止」(2023年7月)としました。さらに、2024年より「解体」に向けた準備を着々と進めています。
 私たちは、調べれば調べるほど不可解な決定について見過ごすことはできず、八代市の誇るかけがえのない文化施設である八代市厚生会館を失うわけにはいきません。

 これからも、当会では考えられる限りの八代市厚生会館のホール再開のための活動を続けて参りますので、多くの方のご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

共同代表よりご挨拶

八代市の中心市街地文化ゾーンの核となる厚生会館

共同代表  丸山 久美子  [洋画家、八代市文化協会会長]

 建築物としての価値と教育的価値を持つ厚生会館。建築界のレジェンドである芦原義信氏による設計で「外部空間論」という新たな建築思想を取り入れた、世界的に認められている建築物でもあります。
 当時の市長・坂田道男氏により、“本物の文化芸術に触れることで八代市民格の向上”を目的として作られ、保育園のお遊戯会から、チェコフィルハーモニー交響楽団や日本フィルなど国内外の有名なオーケストラまでもを満足させる懐の深い劇場であり、多くの八代市民の文化的素養を育んできた場所です。
 さらに、厚生会館は“中心市街地”の核として、今後も大きな役目を果たします。八代城址・お祭りでんでん館・博物館・松浜軒と繋がる歴史文化ゾーンは、市外からの観光客にとっても欠かせないエリア。ホールを再開することで人流が生まれ、周辺施設への相乗効果は計り知れません。
 厚生会館のホール再開こそ、「八代の文化の未来を守る」ことだと考えています。

人生の基礎を培う格調高いホール

共同代表  佐藤 士郎  [元校長、八代市美術協会会長]

 教育現場にいた立場から、厚生会館のホールは八代市の教育にとって、非常に重要な文化施設と考えています。
 かつて八代市は、すべての中学3年生を厚生会館ホールに招き、オーケストラ等の生演奏の迫力と感動を体験できる貴重な機会を提供していました。このホールでないと実感できない素晴らしい音響、重厚な建築物の雰囲気に、普段はやんちゃな生徒たちも襟を正して聴き入るなど、フォーマルな鑑賞態度のTPOを自然と学んでいたといえます。
 感動を誘う劇場文化に一度でも触れておくことは人生の幅を大きく広げることへ繋がります。それは豊かな常識を備えた社会人として、郷土のみならず世界に通用する優れた人材を八代から生み出すことになり得るのです。格調高い厚生会館ホールを失うことは、人生の基礎を培う八代の教育にとって大きな損失と考えます。

八代市厚生会館について

共同代表  磯田 節子  [元熊本高等専門学校 建築デザイン工学科教授]

 ほとんどの建築・都市の学生が、芦原義信の「外部空間の構成」について学びます。芦原氏の書籍『外部空間の構成』には、「建築から都市へ」という副題がついています。
 芦原氏は、建築家として外部空間理論をいち早く示した人です。八代市厚生会館は1960年代独特の鉄筋コンクリート(RC)造の質の高い建築に加えて、芦原氏の外部空間理論の出発点になった建築です。
 八代市の外部空間に着目すると、八代市厚生会館の外部空間を中心として、約400年前に竣工した堀を含む「八代城」の外部空間、ここは利休高弟の細川三斎ゆかりの地でもあります。そして松浜軒の美しい庭園、現代に飛んで、当時建築界をアッと驚かせた「未来の森ミュージアム」の建築を地中に埋めてしまった「緑のマウンド芝生空間」、そして「お祭りでんでん館」の人の流れをつくりだす「みち空間」が連なります。
 こんなに豊かな外部空間のある中心市街地は、わが国でもこの八代市だけでしょう。

市民に愛されている劇場の持つ温かさ

共同代表  甲斐田 栄  [舞踏家、熊本バレエ研究所教師]

 熊本市在住の頃より、厚生会館の劇場としてのポテンシャルの高さは強く感じていました。その後、縁あって八代で生活するようになり、ありがたいことに腰を据えて厚生会館が私のバレエ活動の本拠地となりました。
 以前、ドイツで開催された音楽祭や親善公演に参加した際に踊った劇場と同じ空気感を持つ厚生会館。その空気感とは、熊本市民会館や熊本県立劇場とも違う、ましてやハーモニーホールからも感じられない「市民に愛されている劇場」の持つ独特な温かさ。気軽に発表会などで利用でき、誰もが親しみを感じられる“良質”な地域密着型の劇場。音を体にいっぱい浴びる感覚で、子ども達が気持ちよく伸び伸びと踊り、ワンスロープの客席と舞台との一体感を得られる劇場は他にはありません。
 共同代表として、舞踊家としての経験を活かし、ホール再開に向けてお役に立てればと思います。